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ぽかぽか おひるね

まるマシリーズの二次創作小説、有利×ヴォルフラムメインの小説サイトです。

Entries

陛下お誕生日おめでとう話、書いてます…が。

お久しぶりでございます。

毎日暑いですが、皆さまお元気でしょうか?

o(*^ー ^*)o



もうすぐユーリ陛下のお誕生日ですね。

今、頑張ってお話を書いています……が、間に合わないかも……

(^_^;)



そうならないために、早め早めに準備をしていたはずだったのに、

なぜか今、間に合わなそうでものすごい焦ってます。

もっと当日近くなったら、きちんと29日にUPできるかどうかが分かると思うので、

その時はもう1度、お知らせを書きに参ります。

どうか、間に合うように祈っててください。(他力本願)

頑張りまーす♪

ヽ(▽ ̄ )乂(  ̄▽)ノ


                                  みんみん




2014年、新年SS、更新しました!

改めまして、あけましておめでとうございます。
2014年となりました。

新年のご挨拶がわりのSS、ようやく書き終わりました。
カテゴリの「小説総合目次」をクリックしていただき、
【 その他小説 】の一番下にある
『幸せな日々~アニシナの薬と古(いにしえ)の魔術~』
というのが、今回の新作です。

1月1日に上げたかったこのSSですが、
書き始めたのが30日だったのでこんなに遅くなってしまいました。
しかも5日とお約束したのに、1日延びてるし……とほほ。(^-^;)
すみませんでした。

そして、今回は「内容的にどうなの?」という作品になっております。
ご趣味に合わない方もいらっしゃるんじゃないでしょうか……。
以下の説明を読んで、自己責任でお願いいたします。 m(_ _)m

1. ヴォルフラム女体化が出てきます。
2. 妊娠、出産描写があります。

うーん。
皆様に少しでも楽しんでいただけたら嬉しいのですが。 (^-^;)



さて、新年のご挨拶といたしまして、
今年の私の年賀状を載せさせていただきます。
子供たちの名前を消し、顔を隠し、メアドと自分のサインを消しての掲載です。

年賀状2014



今年こそ、原作新刊が出たら良いなぁ。
昨年も言ったけど、十周年記念はどこにいったんだ? (^-^;)

皆さまの2014年が素晴らしいものになりますよう、
心から願い、お祈り申し上げます。

なかなか新作は書けない私ですが、
それなりに頑張っていきたいと思っています。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。 m(_ _)m




幸せな日々~アニシナの薬と古(いにしえ)の魔術~ あとがき

お正月ネタとしては、初夢、という題材で過去も書いたことがあります。
夢 → 正夢? というネタをするのが大好きな私です。(笑)

初夢に限らないだろうけど、
ユーリもヴォルフラムも、あれだけ魔力が高いのだから、
きっと正夢見放題なんだろうと、勝手な妄想ばかり膨らみます。

皆さまは普段、夢を覚えている方ですか?
それとも忘れちゃう派でしょうか?
私は結構、色々な夢を覚えている派です。
しかも荒唐無稽。
こんなの現実にあったら「なんだかなぁ」ってなもんです。 (^-^;)
でも、楽しい。
思い返すと笑えたり、身震いしたり、悲しかったり、嬉しかったり……。

お話の中では夢だったと気付いたユーリが泣いています。
実際に泣くほど私自身が悲しくて涙を流した事はありませんが、
結構心がぎゅっと締め付けられるような気持ちになったりも時々あります。

だから、今回はこんなネタで書いてみました。
新年早々、女体化、女体ヴォルフとのH、妊娠、出産、と、
有り得ないネタをぶっこんでしまってすみませんでした。
お読みくださった皆さまには、心から感謝をいたします。
ありがとうございました。 m(_ _)m

自分的にはH描写まで細かく書きたい気持ちもあったのですが、
「いや、待て、ここまで異色の事しといて、これ以上はダメだろ?」
と思い直し、思いとどまりました。
……読みたい、なんて、奇特な方、いますか? (^-^;)

私は、ヴォルフラム、という存在に心惹かれました。
原作を初めて読んだ時、最初からBL的妄想でヴォルフを見ていた訳ではなく、
ヴォルフラムの、凛々しかったり、可愛かったり、一生懸命なところに魅せられて、
どんどん好きになって、好きで好きでたまらなくなっていくうちに、
「彼の想いを遂げてあげたい」と願うようになったのです。
それが原作では無理な話なので、二次創作、という訳ですね。

私は元々BLも大いにたしなんでいましたが、
全てをそちらで妄想するような感じでもないので、
男女カプ性描写も全然OKなんです。
って言うか、普通の男女のエロ話も大好物です。(笑)

恐らく、原作でヴォルフラムが女性だったら、
きっとすんなりユヴォも男女で二次創作していたでしょう。
すなわち。
私にとって、ヴォルフラムは男性だとか女性だとかは関係ないのです。
あの光り輝く存在こそが、私の中で希望を見せてくれて、
夢を与えてくれるのだと思っています。

長々書きましたが、そんな訳で。
今回、ヴォルフラム女体化話を書きました。

グレタは人間で、あっという間に大人になってお嫁に行ってしまうでしょう。
そしたらあの二人はその後、寂しい思いをするんじゃないかな?
今度は魔族の養子をもらうという手もあるが……うーむ。
でも、ま、そんな思いがあって
今回は二人の血を分けた子を誕生させてみました。
少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

ちなみに。

子供の描写はあえて書きませんでした。
性別、髪の色や瞳の色などの二人の内どちらに似ているか情報等、
全て割愛です。
皆さまのご想像にお任せします。

ここまで書いておいて、
ラストシーンのアニシナが持ち込んできた発明が
夢とは全く違う製品だったりする事も可能性としては有り、という、
酷い事を言ったりして……ふふっ
ま、それも含めて、読んでくださる皆さまのご想像にお任せいたします。

とにかく、こんな異色の話を最後までお読みくださってありがとうございました。
本当に心から感謝をしております。 m(_ _)m

ああ、愛すべきロイヤルカップルに幸あれ!
彼らの未来が輝かしいものでありますよう、今年も心から願っています。


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幸せな日々~アニシナの薬と古(いにしえ)の魔術~ 3

「……リ、ユーリ? ユーリ、ユーリ!」

 ふと気付くと、朝日が差し込む部屋の中、おれはベッドに横たわっていた。
「……ヴォルフ?」
「そうだ。なんだ、どうしたんだ? 昨日の疲れが取れないのか? さっさと起きないと、新年の行事は二日の今日もまだまだ続くぞ。ぼやっとしている暇は無い。コンラートだってお前の世話ばかりしていられないのだからな」
 辺りを見回す。
 いつもと変わらない、おれ達の寝室。
 ヴォルフラムが子守唄を歌いながら編んでいた小さな白い靴下も、大きなお腹のヴォルフラムとおれが並んで描いてもらった肖像画も無い。
「……夢」
 呆然とつぶやく。
「初夢を見たのか。どんな夢だったんだ?」
 ヴォルフラムの言葉に返事ができない。
「夢……だったんだ……」
 呆然としてつぶやき続ける。
「ユーリ?」
 ヴォルフラムが覗き込んできた。それでも反応できないおれに、ヴォルフラムは頭をゆっくりと抱きしめてくれた。
「そんなに、悲しい夢だったのか……涙を流すほどに」
 泣いてる? おれが?
 ……そっか。泣いてるんだ、おれ。
「違うよ、ヴォルフ。幸せすぎたんだ。こんなに幸せな出来事が現実にある訳が無いってくらい……夢だからこそ有り得たって、今なら分かるけど、でも、ほんとにほんとに、幸せな日々だったんだ……だから、だから……」
「そうか」
 目を閉じる。
 黙って、髪を撫でられるまま。
「だがな、ユーリ。悲観する事はない。現実とは、いつも夢よりも厳しいかも知れないが、思いもよらぬ幸運に見舞われる事もある。大丈夫だ。いつだって、ぼくがついている。お前の側にいるぞ」
「うん。うん、分かってる、ヴォルフ」
 ゆっくりと腕を外したヴォルフラムに向かって、代わりにこちらからギュッと抱きついた。
「愛してる、ヴォルフラム」
「ぼくもだ、ユーリ」
「世界中で一番」
「もちろんだ」
「絶対に離さない」
「離されたら困るから、それで良い」
「いつも隣に居る」
「当然だ」
「いつまでも」
「ああ、いつまでも、いつまでも」
「ヴォルフ、愛してる」
「愛しているぞ、ユーリ」
 すがりつく相手の髪に涙を吸い込ませ、すすり続けた鼻水が垂れる前にゆっくりと彼から離れた。そして、へへっと笑う。
「鼻が赤いぞ、ユーリ。まぁ、そんなお前も愛らしいがな」
「何言ってんだ。可愛いのはお前。お前だろ?」
「お前に決まっているだろう、ユーリ」
「ふふっ」
 そんなやり取りも幸せだ。
 めくるめくような幸せの夢を見ていたけど、現実だってじゅうぶん幸せだ。
 そうだとも。
 ヴォルフラムがいれば良い。
 こいつが側にいてくれる日々こそが、おれにとっての幸せなんだ。
 枕元に置いてあった柔らかいタオルで、ヴォルフラムがおれの顔を拭いてくれる。それに笑みを返すと、そっと唇を寄せていった。
 受け入れてくれる彼が愛しい。おれの思いをいつもいつも受けとめてくれるヴォルフラムが愛しい。愛しくて仕方ない。どんどん深くなる口付け。もっと、もっとと舌を追う。角度を変え、より深く唇を重ねた。
「ユーリ、駄目だ。新年の行事が待っている。今から始める訳にはいかない」
 そうは言われても、こんな気持ちの時に止められる訳が無い。
「ユーリ、駄目だって言っている……ああ、ユーリ……駄目……あっ、ああっ……あ」
 リボンを外して胸元を緩め、そこに赤い痕を残す。手のひらをネグリジェの下から潜り込ませ、細い紐を探しあてるとスルリと解いて柔らかな金糸に指を絡めた。
 するとその時。
「おはようございます、陛下! お喜びください、ついに完成いたしましたよ!」
 ノックもなしにいきなり扉がバーンと開いて、赤い悪魔が威風堂々と入って来た。“ずかずか”という擬音が相応しい歩調で、ためらいもなく近付いてくる。部屋の主であるおれが「入室してよし」とか「おお、よく来たな、アニシナ」とか「こちらへどうぞ」とか言ってないのに。
「これで国民の切なる願いが叶います! ようやく完成したのです! きっと素晴らしい成果を挙げることになるでしょう!」
 機嫌良さそうに話し続ける彼女は、口をぽかんと開けたまま、呆然としているおれに気付かない。
「いい加減にしろ、アニシナ! お前、この状況を分かっていてその振る舞いか!」
 おれの腕の中で耳まで真っ赤になりながら、ヴォルフラムが叫んだ。おれの顔までの距離は五センチメートル程……乱入者が現れるまではゼロセンチメートルだったけど。
 そこへ、がやがやと新たな声がし、グウェンダル、ギュンター、コンラッドが一緒に、開け放ったままだった扉から入って来た。
「ああ、遅かったですか! アニシナ、新年早々、しかもこんなに朝早く、陛下のお部屋に無理やり押しかけるなんて、そんな不敬な事を……ぎゃーっ! ヴォルフラム! あなた、なんて格好ですかっ!」
 駆け込んできたギュンターが髪を振り乱しながら頭を両手で抱えた。グウェンダルはいつもの三倍もの皺を眉間に深く刻み(それすら、最近は通常仕様と化してきている)、見てはならぬものを見てしまったという気まずい表情を浮かべ、慌てておれ達から視線をそらした。コンラッドは呆れた様子で両手を広げている。

 あれ?
 この情景、どっかで見たような……?

 あれは……もしかして、正夢になる、のか……?



END


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幸せな日々~アニシナの薬と古(いにしえ)の魔術~ 2

「明日かな、明後日かな……」
 おれはヴォルフラムの腹にそっと頬を寄せる。
「お前、ここのところ、毎日そう言ってるがな。まだ予定日まで十日以上あると、何度言ったら分かるんだ。まだ生まれないぞ、きっと」
「そう言ったって、二週間くらい早く生まれることだってあるって言うじゃないか」
「まぁ、それはそうだが……」
 ソファにクッションをいくつも置き、楽な姿勢をしながらヴォルフラムが身を預けている。大きく膨らんだ腹に手を当てて柔らかくさすり、満足そうに微笑むヴォルフラムは、聖母マリアのような慈愛に満ちた瞳で腹部を見つめていた。おれは彼の足元で絨毯に直接座り、今にもパーンと弾けてしまいそうな程の大きさにまでなったヴォルフラムのお腹を、優しく優しく撫で続けていた。
 この中に、おれと彼との血を分けた子供がいる。
 その喜びに、胸がいっぱいだった。



 思えば苦労の連続の日々だった。まず、ギュンターがどれだけ頑張って教えてくれても、おれは性転換の魔術というのが全然習得できなかった。だって、元々は体に負担が掛かるから実用性に欠けるという意味で秘されていた魔術なんだから、毎日実践で覚える訳にはいかない。人に向けて練習する訳にいかなかったから、なかなか上手にできるようにはならなかったんだ。毎日毎日繰り返し、ようやく努力が実って性転換魔術を使えるようになってから、ようやくヴォルフラムはアニシナの薬を服用するようになった。薬を飲むと、一時間ほどで効果が表れるらしく、ちょうどその頃におれ達は性行為を始める。困った事に擬似卵子は空気に触れさせる訳にはいかないらしく、試行錯誤の上、ヴォルフラムの胎内に入れるのにはとても回りくどい方法を取らざるを得なかった。まず、おれが口に含んでヴォルフラムに射精させ、それを口移しでヴォルフラムに渡し、彼の口腔内で一時保管中におれがヴォルフラムに古の性転換魔術を掛ける。見事それが成功してヴォルフラムが女体化したら、ヴォルフラムからまた口移しで精液を受け取り、ヴォルフラムの胎内に、おれが口から入れ込む。その後、ようやく女体化した彼(彼女?)とおれとの本格的な性行為によって、上手くいけばヴォルフラムの胎内で受精が行われる……というやり方だった。こんな回りくどい方法しか取れなかったため、一億分の一以下の確立の擬似卵子が上手くヴォルフラムの胎内まで入り込む可能性は低い。そのせいで、おれ達は何度も何度もこれを繰り返す羽目になったのだった。しかも、アニシナから「より運動能力を高め、良い精子と擬似卵子を作るためには、十日に一度くらいにとどめる方が良いでしょう」などと言われ、性行為は十日に一度と制限されてしまったから、その間、おれは悶々ともだえる羽目となったのだ。
 その努力がようやく実り、数ヵ月後、待望の受精卵がヴォルフラムの擬似子宮に着床した。皆、どれほど喜んだことだろう。アニシナは「まだまだ安定期に入るまでは油断ができませんよ」などと言っていたが、おれ達はお祝いのパーティをした。グウェンダルが眉間の皺を緩めてニコニコとグラスを傾ける姿は、なんとも珍しくて何度もガン見しちゃったよ。その後、新しく用意された子供部屋はグウェンダル・プロデュース、マイドイングウェンダル製品で溢れていった。なんかお手製のレースの産着まで作ってくれているようだ。微笑みを常に浮かべ、赤ちゃん製品を寝る間も惜しんで手作りし続け、完全に壊れてしまったグウェンダルの代わりにギュンターが政務まで一手に引き受け、ヴォルフラムの抜けた穴も含めてコンラッドが東西奔走していた。
 おれは、と言うと「母体の安寧には配偶者の労りが一番です」と言われ、いつもヴォルフラムの側に居た。口付けを交わし、微笑みあい、膨らまないうちから腹を撫でながら、子供の名前について色々話し合っていた。日本風の名前にするか、眞魔国風の方が良いかで意見が分かれ、更に候補が多過ぎて二人の意見はなかなかまとまらなかった。
腹を撫で続けていると、いつの間にか腰やらわき腹などにまで手を滑らせる事もあり、そうするとなし崩し的に胸まで揉んでいたりする事も度々あった。ヴォルフラムの女体化した姿を見たコンラッドは「もう少し母上に似れば良かったのにな……」と残念そうであったが、何を言っているのかおれにはまるで理解できなかった。ヴォルフラムは貧乳が一番似合うに決まっているじゃないか。ツルペタで、脇の方から手のひらで肉を寄せてきてようやく揉める、という位が彼(彼女?)にはぴったりだと思う。ばいーん、ぼんっ、バーン! ……なんて、全然ヴォルフラムらしくない。ちっとも分かっていないんだから、コンラッドは。
 まぁ、とにかく、そんな乏しくも特別感満載な期間限定スペシャルおっぱいを、おれはこの妊娠期間中、思う存分楽しんだ。寄せてきて寄せてきて……それでも寄せてこられないくらいのささやかな胸だったけど、確かにマシュマロみたいな張りのある弾力を含んだ柔らかさに、おれは夢のように浸り続け、いつもいつも触れていた。
「お前、やっぱり配偶者は女の方が良かったか……?」とヴォルフラムは、性転換魔術をかけ始めた最初の頃、少し不安になったようだったけど「お前自身が良いに決まってるじゃないか! 男だからとか、女だからとか関係ない! お前だから良いんじゃないか! 今のお前にはおっぱいがある! だから触る! それが当然だ! いつものお前にはチンコがある! だからいつもはそれを可愛がる! そういう事だろ!?」と言ったら、納得してくれたらしく、それからはおれがいくらおっぱいをしつこいくらい揉んでも、女体化したこいつと性行為をしても、素直に感じて応えてくれるようになった。
 ああ、ヴォルフラムは本当に可愛い。
 ここ二十年くらいで、彼は身体が少年から青年へと変わってしまった。凄絶なほどの美しさの中に精悍さが溢れていて、まさに神々しいとまで思っているんだけど、眞魔国ではこういうのは『禍々しい』とか言ったりするんだろうか? だって魔族なのに、神々しいって変だよな。まぁ、ちょっと前まではこいつのこと『天使』だって思ってたんだから、それが進化して『神』と表現したって良いのかな、とも思うけど。まぁ、とにかく、そんな颯爽とした王子様が、性転換魔術で完璧な美女へと変わってしまったんだ。
 ぷるんと潤った赤い唇、ぱっちりとした瞳、くっきりとした二重目蓋、ばっさばっさの睫毛、完璧に整った眉毛、ばら色の頬……あれ、なんか性転換前と一緒だな。おかしい。でもとにかく、身長は二十センチメートル弱くらい縮んで、百六十センチメートルくらいになった。おれが百八十センチメートルだから、いつもはほんのちょぴっとしかない身長差が、今は二十センチメートルにもなった。そして全体的に華奢になった彼(彼女?)は、腕も足も細くか弱くなり、指も白魚のような繊細な動きをする。妊娠を常に意識しているせいで、自然に動きもゆっくりと慎重になり、それがたおやかな印象を与えるせいで、余計に男性の動き特有の荒々しさが失われ、一層愛らしさを増したように感じられる。
 可愛い。
 凄く可愛い。
 食べちゃいたいくらい可愛い。
 今日も食べちゃえ。
 いただきます!
 ……なんて事を、日々繰り返して今日までやってきた。めくるめく愛の日々。ヴォルフラムは完全に仕事を免除され、おれは七割減、しかも自室の居間で済ませられるように準備や片づけまでしてもらっちゃうというビップ待遇……って、そういや忘れていたけど。
 おれさまは、魔王さまだったのです。
 ま、そんな訳で、一日中ヴォルフラムの側に居続けて、幸せを分かち合い、愛を交し合い、互いの温もりに浸る生活を思う存分満喫していた。
 ……もしかしたら、女体化がやはり、彼の体に負担をかけているんじゃないかとか、擬似卵子は本物ではないのだから、本当にきちんと役割を果たしてくれているのだろうかとか、擬似子宮はきちんと役目を果たしてくれているのだろうかとか、そういう不安が常におれ達二人にはあったし、もしもそういったものが全てオールオッケーだったとしても、普通の女性だって妊娠期には色々トラブルがあるそうだし、出産ともなれば命に関わるような危険だってあるのだ。そういった不安を、おれ達は常に触れ合うことで散らし、互いの存在を確かめる事で支え合っていた。
 それでも。そんな不安を凌駕するほど、おれ達は嬉しくて仕方なかった。だって、お互いに無くてはならない、掛け替えの無い存在である相手の子供が、もうすぐ生まれるのだから。
 毎日、朝晩と、一日二回もギーゼラが診察してくれる。アニシナだって三日に一度は様子を確かめに来てくれていて、出産予定日を二週間きった頃から毎日見に来てくれる。グウェンダルもギュンターもコンラッドも、毎日暇さえあれば顔を出しに来る。週に一度は村田も眞王廟から来てくれていたけど、数日前からは血盟城に泊まりこんでいるらしく、あいつもしょっちゅう部屋に訪ねてきてくれた。皆に心配され、気遣われ、それ以上に心から楽しみにされているのが伝わってくる。彼らの明るい笑顔と楽しい会話が、ともすれば噴き出てしまいそうな不安を蹴散らしてくれた。本当に嬉しく、ありがたい。
 遠方に嫁いだグレタも、既に何度か様子を見に来てくれた。子育て大ベテランの彼女は、おれ達にたくさんアドバイスをしてくれた。先の見通しが立つのも、不安が解消される一因となった。あらかじめ知っておくって、本当に大事だなと思う。親として大先輩であるグレタから明るい笑顔で「大丈夫だよ。案ずるより産むが易しって言うでしょう?」と太鼓判を押され、久しぶりに以前のように三人でギュッと抱きしめあったのはとても良い思い出になった。
 幸せだ。
 こんなにも幸せだ。
 家族に愛され、労わりと思いやりを与えられ。
 そして支え合い、全てを分かち合える伴侶がいる。
 本当に、本当に幸せだ。



「……ユーリ」
「あ、ああ、ごめん、ちょっと思い出に浸ってたよ。なんだい、ヴォルフ?」
 今日までの事を色々思い出していたせいで、ぼんやりしていたらしい。ヴォルフラムから声を掛けられて夢から覚めたように意識を戻した。
「ユーリ……」
「ん? どうした、ヴォルフ?」
 顔を覗き込む。すると。
「ヴォルフ、どうした? 大丈夫か、ヴォルフラム?」
 なんだか、顔が青ざめている。
「……痛い。腹が痛い。もしかして、陣痛がきたのかも」
 苦しそうに顔を歪めるヴォルフラムに、おれはバッと飛び上がって扉に向かった。
「ギーゼラ呼んでもらうから! 待ってて、ヴォルフラム!」
 扉の外の護衛兵に素早く伝え、護衛兵が慌てて駆けていくのを確かめてから、ヴォルフラムの元へ大急ぎで戻った。そして片手でヴォルフラムの手をギュッと握り、もう片方の手で腹や腰を懸命にさする。
「大丈夫、ヴォルフラム。もう何度もシミュレーションしてきたんだ。平気だよ、ヴォルフ。ゆったり構えて、一緒に乗り切ろう。大丈夫だよ、この頑張りの後には、幸せが待っているから」
 心の中で何度も練習してきた台詞を、穏やかな笑顔で言う事ができた。一度痛みが引いたのか、苦しさは既に無いようだが、分かっていても少しパニックを起こしていたのであろうヴォルフラムは、引きつり気味な笑顔を向けて、こくこくとうなずいた。
「ユーリ、ぼくは頑張る。この時のために、皆がたくさん協力してきてくれたのだから。たくさん迷惑をかけた。色々してもらった。それに報いるためにも、ぼくは頑張って元気なやや子を産まねばならない」
 薄っすらと額に汗しながらも決意を秘めた瞳を浮かべ、ヴォルフラムは美しく笑む。
 ああ、本当に綺麗だ。
 ヴォルフラムという存在自体が美しいんだ。
 ほんとに素晴らしい伴侶を得られたと思う。
「うん。たくさんの人たちに、いっぱい迷惑かけたな。やってもらい過ぎて、既に何が何やらもう分かんないくらいだよ。たくさんの人に、いっぱいいっぱいごめんなさいって言いたいけど、それよりはみんなに『ありがとう』って言おう。そういう気持ちで、頑張ろう」
「そうだな。感謝をしながら、産みたいと思う。ユーリ、側にいてくれ」
「いるとも。もちろんだよ。ずっと手を握っててやるから」
「ありがとう、ユーリ」
 その時、ギーゼラが部屋に飛び込んできた。他にも女官や侍女達が大勢入って来て、タオルやらお湯やら桶やら、片手で食べられる食事やら精のつく飲み物やら、色々様々持ち運ばれた。
「皆さん、よろしくお願いいたします!」
 おれは腰を九十度に折って心から礼をした。
「よろしく頼む、皆の者」
 痛みの波の中で、ヴォルフラムもなんとか伝えた。
 遅れて走って来た村田やグウェンダル、ギュンター、コンラッドにも礼を言い、頭を撫でてもらったり、ギュッと手を握ってもらったりして激励を受けてから、ヴォルフラムは本格的に出産の準備に取り掛かった。
 しばらくすると破水をし、数時間かけて陣痛の時間がどんどん短くなっていくうちに、ヴォルフラムの体力もどんどん目減りしていくのが傍で見ていても分かったけど、おれは横で励ましたり、手を握ったり、腰をさすってやったりするしかできなかった。みんなが言ってた事だけど、こんな時は男親って本当に役立たずだ。気力だけで持ちこたえているヴォルフラムは、爛々と目を輝かせ、陣痛と陣痛の合間には凄絶な微笑みさえ浮かべていた。
 本当に脱帽。
 ヴォルフラムって凄すぎる。
 おれには絶対に真似できない。
「頑張れ、もう少しだ!」
「ああ! ……っつぅ! くううぅぅぅぅぅ!」
「ヴォルフ! ヴォルフ!」
 その時、今までいきみを逃せと言い続けていたギーゼラが、とうとう叫んだ。
「閣下! とうとう産まれます! ゆっくり大きくいきんでください! いきますよ、せーの!」
 ヴォルフラムが最後の力を振り絞っていきむのと一緒に、おれまで息を止めていきんでしまった。
「もう一度いきますよ! せーの!」
 数度のいきみのあと、短い呼吸をするように言われて、その数瞬後。
「出ました! 生まれましたよ!」
 ギーゼラが叫んだ。
 その次の瞬間。
「おぎゃ、おぎゃ、おぎゃああぁぁぁ……」
 手足をひくつかせた赤ちゃんが、小さな声でありながら、力強く産声を上げた。ギーゼラがへその緒の付いたままの赤子をヴォルフラムの腹の上に乗せてくれる。全身で力の限りを尽くして泣き続けている小さな姿から、素晴らしい生命の息吹が感じられた。
「ほら、元気な赤ちゃんですよ」
「本当だ……良かった。ぼくは、無事産むことができたんだな……」
 ヴォルフラムが全身の力を抜き、安堵したような声を出した。
「陛下、おめでとうございます」
「あ、ああ……」
「「「おめでとうございます、陛下、閣下」」」
 周囲の女官達から一斉に祝われても、反応する事ができない。
「ユーリ?」
 ヴォルフラムからいぶかしげに問われて、ようやくハッと気付いてヴォルフラムに向き合った。
「ありがとう、ヴォルフラム! ほんとに、ほんとにありがとう!」
 ヴォルフラムの頬を両手で挟み、額や頬に何度か口付けをすると、感極まって赤ちゃんを見つめた。へその処理をされて、タオルで拭かれている。
 ヴォルフラムの手の温もりを頬に感じたと思ったら、濡れた感触がした。気付かなかったけど、流れていた涙を拭われていたようだった。
「ヴォルフ、ほんとにありがとう。がんばったな、お前」
「ユーリのおかげだ。ぼく一人の力ではなかった」
「そうだ、ヴォルフ、体の不調はない? 出産後、急激に男に戻すのはかえって体に負担が掛かるって言われてるから、明日にはもう一度重ねがけをする予定なんだけど。大丈夫そう?」
「ああ。何も問題ない。大丈夫だ。それより、結局名前が決まっていないぞ。どうするんだ?」
「そっか。でも、ま、ゆっくり決めよう。赤ちゃんも産湯に浸かって綺麗にしてもらったら、可愛い産着を着るだろう? お前も体をゆっくり休めてから、赤ちゃんの顔を眺めながらじっくり決めれば良いじゃん?」
「そうだな。やや子の顔を見ながら考えれば、候補の中から突然、これ、というものに決まるかも知れないしな」
「うん……可愛い赤ちゃんだね」
「そうだな。ユーリそっくりだ」
「そう? まっかっかだし、猿みたいだけど」
「そこもまた、愛らしいのだろう」
「ははっ。とにかく、可愛いってことだよね」
「そうだな」
 くすくすと笑い合って、おれ達は幸せ過ぎる現実を堪能していた。


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Author:みんみん
フォンビーレフェルト卿ヴォルフラムを心から愛する主腐です。

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